なんとフィジー行きは失敗。それでもやっぱり、旅はおもしろい

「今年は早めに夏休みをとって、フィジーでダイビングしたろ〜」と目論んでいましたが、フライト直前に飛行機が欠航となり、フィジー行きはあえなく断念することになりました。

でも、成田空港で目にしたフィジアンの姿がなんとも印象的だったので、ブログに書いておこうと思います。

この日、フィジー行きの飛行機は、夜の9時過ぎに発つ予定でした。しかし、搭乗予定時刻を迎える頃、「機体の準備が整っていないため、今しばらくお待ちください」とのアナウンスが。最初は「飛行機が遅れているんだな〜」程度にしか思っておらず、ほかの乗客も「これくらいの遅れはよくあるよね」といった感じでゆったりと待っていたのですが、それから30分、1時間が経ち、機体の準備が整っていない旨を伝えるアナウンスが5〜6回目となる頃、周囲に鬱々とした空気と緊張感が漂い始めました。

特にハネムーナーと思われる日本人カップルの男性のほうは、明らかにイライラを募らせていた様子。「なんで、もっと詳しく説明しないんだよ」「結局、(フライト時間は)いつになるの?」と、不満を口にしていました。

日本といえば、何事も正確に進められる国です。電車をはじめとする公共交通機関は、予定時刻ぴったりに運行するのが当たり前です。そんな日本での暮らしにどっぷりと浸っていれば、今回のような遅延を耐えがたく感じるのは、当然なのかもしれません。

いっぽう、同じく飛行機を待っていたフィジアンの男性2人の反応は、予想外のものでした。飛行機が遅れていることなど意に介さない様子で、持ってきたお菓子をつまみながら、楽しそうに世間話をしていました。

それからさらに1時間が経過したところで、ついに、欠航を知らせるアナウンスが。すでに時刻は23時半を過ぎており、眠気と疲れを感じていた人も多くいたはず。明らかに表情を曇らせる人、不満を口にする人が大多数を占めるなか、そのフィジアン男性たちのリアクションは、またもや違っていました。欠航を知ると、彼らは「仕方ねぇ、(フライトは諦めて)ビールでも飲みに行くか!」と言い、イヒヒ、アハハと笑い合っていました。

トラブルに直面した時、こんなにも明るく受け流せる人たちに、これまでの人生で出会ったことがありません。「いったいフィジアンは、どれだけ楽観的で明るいんだ…!」とカルチャーショックを受けてしまいました。

最後まで、欠航の詳しい理由は知らされませんでしたが、おそらく機体にトラブルがあった、あるいは離陸後に天候の悪化が予想されたことが、欠航になった理由だと思います。航空会社側は、乗客や乗員の安全を考え、苦渋の決断として“飛ばない”という判断を下したはず。今回の欠航は、その場にいる誰かのミスや怠慢により、起きたものではないと思います。

誠意を尽くしたけど、それでもどうにもならなかった。そうした趣のトラブルに直面した場合、ぷりぷりと怒るのではなく、あのフィジアン男性たちのように、アハハと笑って受け流すのが正解なのかもしれない。成田空港を後にしながら、そんなふうに考えました。

何を隠そう、文化や習慣の違いに直面し、それまでの自分の常識や感覚に変化が及ぶのが、旅の魅力の一つだと思います。今回は成田空港でほんの数時間、フィジアンたちの姿を見ていただけですが、それだけでも楽しいカルチャーショックを受けられました。もしもフィジーへ行くことができていたら、もっとたくさんのカルチャーショックを受けられたはず。やっぱり旅や、そこで出会える異文化は魅力的なものだなぁ、とつくづくと思いました。(フィジー旅行には、また別の機会にチャレンジ!)


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